第5回巡検
おのころアイランド再訪
【日 時】 1991年11月17日(日) 巡検ルート地図(別窓で開きます)
【案内者】 樋口節夫 武藤 直 山田 誠 紀 禎哉
淡路島と阪神地方は、淡路フェリー、六甲アイランドフ工リー、甲子園フェリー、共同汽船、大阪湾フェリー…と多くのコースで結ばれ、通勤・通学のほか、商業・観光・レジャーと四季を通じ往来のはげしい1日生活圏内にある。なかでも北端の海峡を東西に行きかう船の間を、明石から岩屋まで、播淡連格汽船によれば25分で到着できる。
第5回ニューFHGの巡検は岩屋をスタートして東岸(東浦)の四国街道を洲本まで南下、島の歴史の核心域三原平野に入り、本四国道を北上し、津名・一宮を経由、西浦廻りで出発点に帰るコースを準備している。先回訪ねた地点をさけ、秋の一日をおのころずくしで万喫したいと思います。
淡路島
▲洲本城址
瀬戸内海の東端にあるこの島は大きく、かつ本州と四国を結ぶ陸橋に相当する。その名は古く、おのころじまにはじまり、「紀記」にもしばしば登場するが、島の古代中心=国府・国分寺・駅路…所在の三原平野=まで足を伸ばしたい。
洲本
炬口の船乗場をすぎると、三熊山を背に、大浜海岸の洲本が眼に入る。洲本川口の旧鐘紡跡を左に、橋をこえると、前面は、旧城下の「外町」である。市役所に近く「内町」がある。この町は淡路1国の政治・経済の中心として島に君臨したところ。大浜海岸に近い三熊山公園所在の洲本城(上の城、下の城)を訪ねたい。その山麓にある「淡路文化史料館」には島の歴史・民俗・祭が展示されているので島の基礎知識が得られる。昼食は旧船留跡の「鍋藤(なべとう)」でとる。改めて国立公園三熊山と城跡に登り、脚下の城下町、そして名刹千光寺のある「先山」449メートルまで眺見したい。東麓の洲本温泉経由、四季楽しめる綜合レジャーランド「サントピア・マリーナ」まで車を進めたい。
三原平野
▲史跡淡路国分寺跡
福良(南淡町)への国道筋はモータリゼーションを指示するごとく、新規の店が連続するが、峠を越え右におれると、「国分寺」が近い。本尊の木造釈迦如来像(国宝)それに飛天像(県重文)を拝観したい。寺域の復元が進められているが、付近一円は、島の穀倉地で、名物の玉ネギ小屋、それに乳牛飼育を兼ねた農家が多い。近くに「淡路ファーム・パーク」が見える。
帰途、車は本四淡路縦貫道(高速道路)を津名インターまで、段丘上を北上するが、車窓左手に先山千光寺(ミニバスで登山可能)、恵日寺が見える。
伊弉諾神宮
津名から郡家に至る東西コースは北淡と中淡をわける構造線に相当する、地形の変化を興味深く観察したい。途中の一宮では国生み神話で知られ、島民の信仰があつい伊弉諾(いざなぎ)神宮を参拝する。この社では、四月例大祭に、多くの村々壇尻(だんじり)が出てにぎわう。付近に、県立文化会館が建設されている。間もなく、線香の町(江井が中心)である。この一宮町には115の工場があり、今はタイ・台湾産の杉粉を主原料に生産している。瓦・素麺とともに島を代表する伝統工業である。
西浦の風景
島の西浦には東浦とはちょっとちがった風情がみられる。水のきれいな海岸は淡路民宿の発祥地で、夏型のリゾートゾーンである。それに伝統的な農村風景が重なった地域でもある。
富島港をすぎ、江崎灯台に近く、海水の流れは、この時間帯では岩屋方向に流れている。ゴールの岩屋が近いのである。秋の日はみじかい、かつ、すぐあとに、本年最初の年忘れの会を予定しているので、重点的に見学したいと思っている。会員諸氏多数の参加を期待しています。
【樋口節夫】